ふりかえり資料は「どこが何点分の力を測っているか」を明かしている。先生が赤字で問題用紙に書き込んだタグ(「数学的表記法の理解」「問題と手法の対応」)が、そのまま採点の観点だと考えてよい。丸暗記ではなく、この3系統に分けて準備する。
到達目標1:文章題(10点) 数学的表記法の理解(50点) 問題と手法の対応(40点)
予測困難な時代と呼ばれる現代において、大量の客観的なデータを瞬時に分析できることの利点を述べよ。また、大量のデータ、分析手法を何と呼んでいるか答えよ。
<利点>: <大量のデータ>: <分析手法>:
<利点> 予測が困難ということは、過去の経験が役に立たないということであるから、現状をリアルタイムに分析することによってのみ、急激な変化に対応が可能となる。
<大量のデータ> ビッグデータ
<分析手法> データマイニング
この設問は「便利だから」では0点に近い。「予測困難」という前提から論理的に演繹する形になっているのが模範解答の骨格である。
| 論理のステップ | 内容 |
|---|---|
| ① 前提の言い換え | 「予測困難」=過去のパターンが未来に当てはまらない=過去の経験・熟練者の勘が使えない |
| ② そこから導かれる帰結 | 頼れるのは「今この瞬間の観測データ」だけ |
| ③ 技術的な要請 | だからリアルタイムで大量データを分析する能力が必要 |
| ④ 得られる価値 | 急激な変化への即応が可能になる |
到達目標1は、5つの用語で確率・統計の重要性を語り、さらにDXの必要性まで説明することを求めている。用語は包含関係で整理すると混ざらない。
| 用語 | 一行定義 | 確率・統計との関係 |
|---|---|---|
| ビッグデータ | 従来の手法では扱いきれない、量・種類・発生速度をもつデータ群(対象) | 母集団に近い規模の標本が手に入る。ただし偏り(バイアス)や欠測を統計的に評価しないと誤った結論になる |
| データマイニング | 大量データから有用な規則・パターンを掘り出す分析手法の総称(行為) | 「見つかった関係が偶然でないか」を判断する道具が検定・確率モデル |
| 機械学習 | データから規則性を自動的に獲得するアルゴリズム群(手段) | 多くの手法は確率モデルのパラメータ推定(最尤推定・ベイズ推定)として定式化される |
| 人工知能 | 知的な判断・認識・生成を機械で実現する技術の総称(上位概念) | 現在のAIの中核は機械学習=確率・統計であり、出力は本質的に確率的 |
| データサイエンス | 統計学・情報科学・対象分野の知識を統合し、データから価値を生む学問領域(学問) | 「何が言えて、何が言えないか」を確率で線引きするのが中核 |
DXは「紙をPDFにすること(デジタイゼーション)」ではなく、データが常に取れることを前提に、業務・組織・ビジネスモデルそのものを作り変えること。ふりかえりが挙げた4つの社会課題に、それぞれ確率・統計の役割を1文で言えるようにしておく。
| 社会課題 | 確率・統計/DXの役割 |
|---|---|
| 少子化・人手不足 | 人の経験と勘に依存した判断(需要予測、検査、シフト配置)をデータから学習したモデルで代替・支援し、少ない人数で同等の品質を維持する |
| カーボンニュートラル | 電力需要・再エネ発電量の確率的な変動を予測し、需給を最適化する。削減効果は統計的に検証して初めて主張できる |
| SDGs | 目標が定量指標で定義されている以上、標本調査と推定の精度が達成度の信頼性そのものになる |
| 国土強靭化 | 豪雨・地震などの極端現象の発生確率を推定し、インフラの劣化を異常検知で早期に捉える |
次の1から5に与えられたデータに対して、分散共分散行列が次のA〜Dとして求まった。データと分散共分散行列を正しく対応付けなさい。
| 5 | 4 |
| 4 | 5 |
| 2 | 0 |
| 0 | 2 |
| 5 | −3 |
| −3 | 5 |
| 5 | 3 |
| 3 | 5 |
1=B 2=D 3=D 4=C 5=A
先生の赤ペンコメント:B=「無相関(=偏りなし)」/C=「負の相関(=右下がり)」/A=「Dより分散(広がり)が大」
分散共分散行列は Σ = E[(x−μ)(x−μ)t] であり、2次元なら次の形をしている。
| σxx | σxy |
| σxy | σyy |
| 行列 | σxx=σyy | σxy | 相関係数 ρ | 固有値(長軸²/短軸²) | 散布図の見た目 |
|---|---|---|---|---|---|
| A | 4 | +3.2 | +0.8 | 7.2 / 0.8 | 右上がりで最も大きく広がる。細長い |
| B | 0.4 | 0 | 0 | 0.4 / 0.4 | 小さな円形の塊。傾きなし |
| C | 2 | −1.2 | −0.6 | 3.2 / 0.8 | 右下がりの楕円 |
| D | 2 | +1.2 | +0.6 | 3.2 / 0.8 | 右上がりの楕円。Aより小さい |
※ 固有値は 対角成分 ± 非対角成分 で出る(両対角が等しい対称行列の場合)。例:A なら 4±3.2。
独立性の検定の例としては「お酒を飲む人と煙草をのむ人は独立か」という問いが考えられ、その検定にはカイ2乗分布が用いられる。さて、母平均の差の検定の例と用いる確率分布を答えよ。
<例>: <確率分布>:
<例> 日本人もアメリカ人も身長の分布は正規分布だとして、平均は本当にアメリカ人のほうが高いか?
<確率分布> t 分布
問題文が「独立性の検定 = お酒と煙草の例 = カイ2乗分布」という三つ組を見せている。だから解答も同じ三つ組の形式で書く。すなわち「2つの集団の平均を比べたい」という状況を1文で作り、分布名を答えるだけ。
母平均を扱うとき、標本平均は正規分布に従う。しかしその標準化には母分散 σ² が必要である。現実には母分散は分からず、標本から推定した不偏分散 s² で代用する。s² 自体がばらつく分だけ、標準正規分布より裾が厚くなる。それが t 分布。
自由度が大きくなると t 分布は標準正規分布に近づく(n が十分大きければ実質同じ)。だから「小標本で母分散未知」のときに t が本領を発揮する。
| 知りたいこと(問題) | 検定名(手法) | 確率分布 | 典型的な例 |
|---|---|---|---|
| 2つのカテゴリ変数は独立か | 独立性の検定(クロス集計) | カイ2乗分布 | お酒を飲む人と煙草をのむ人は独立か |
| 観測度数が理論分布に合うか | 適合度検定 | カイ2乗分布 | サイコロは正しく作られているか |
| 2群の平均に差があるか(母分散未知) | 母平均の差の検定(t検定) | t 分布 | 日米で身長の平均が違うか |
| 1群の平均が基準値と違うか(母分散未知) | 1標本 t 検定 | t 分布 | 製品の平均重量は表示の100gか |
| 平均に関する検定(母分散が既知) | Z 検定 | 標準正規分布 | 規格の分散が既知の工程の平均管理 |
| 2群のばらつき(分散)に差があるか | 等分散の検定 | F 分布 | 2つの製造ラインの精度は同じか |
| 3群以上の平均に差があるか | 分散分析(ANOVA) | F 分布 | 3種類の肥料で収穫量が違うか |
| 1群の分散が基準値と違うか | 母分散の検定 | カイ2乗分布 | 測定器のばらつきが規格内か |
学習データ x=(x,y)t として x1=(1,0)t、x2=(3,2)t、x3=(2,−1)t、x4=(−1,−2)t、x5=(0,1)t が与えられた。これらのデータを主成分分析の意味で最良近似する直線方程式を求めたい。
(1) 分散共分散行列 ΣT を求めよ (2) ΣT の固有方程式を示せ (3) 固有値と固有ベクトルを求めよ (4) 第一主成分の直線の方程式を示し、図に描け
※(1)(3)は「計算過程を裏面に書き残すこと」=部分点あり
| 5 | 3 |
| 3 | 5 |
| 2 | 1.2 |
| 1.2 | 2 |
| 10/5−λ | 6/5 |
| 6/5 | 10/5−λ |
| x |
| y |
| 0 |
| 0 |
(3) λ1 = 16/5、u1 = (1, 1)t / λ2 = 4/5、u2 = (1, −1)t
(4) y = x − 1
先生の赤ペン:「第一主成分というのは、固有値の大きい方の固有ベクトルであり、それはデータの分散が最も大きくなる方向を示す。あるいは、誤差が最小になる最良近似直線の方向でもある。」
分散共分散行列は必ず平均まわりで計算する。原点まわりで計算すると別物(自己相関行列)になる。
| i | xi | yi | a=xi−1 | b=yi−0 | a² | b² | ab |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 2 | 3 | 2 | 2 | 2 | 4 | 4 | 4 |
| 3 | 2 | −1 | 1 | −1 | 1 | 1 | −1 |
| 4 | −1 | −2 | −2 | −2 | 4 | 4 | 4 |
| 5 | 0 | 1 | −1 | 1 | 1 | 1 | −1 |
| 合計 | 10 | 10 | 6 | ||||
検算:偏差の合計は必ず 0 になる(a列:0+2+1−2−1=0、b列:0+2−1−2+1=0)。ここが合わなければ平均が間違っている。
余談:x1=(1,0) はちょうど平均そのもの。よって分散への寄与が 0 になる。
| 2 | 6/5 |
| 6/5 | 2 |
| 5 | 3 |
| 3 | 5 |
固有値・固有ベクトルの定義は ΣTu = λu。移項すると (ΣT − λI)u = 0。u ≠ 0 の解を持つには係数行列が正則でなければよいので、
| 2−λ | 6/5 |
| 6/5 | 2−λ |
検算3点セット(試験中に必ずやる):
第一主成分は「最大固有値の固有ベクトルの方向」を持ち、「平均ベクトルを通る」直線。この2点が式を決める。
y = x − 1 は (0,−1)、(1,0)、(2,1)、(3,2) を通る。定規で2点取って結べばよい。
| 見方 | 説明 |
|---|---|
| 分散最大化 | データを直線に射影したとき、射影後の分散が最大になる方向を選ぶ。情報(ばらつき)を最も失わない軸。 |
| 誤差最小化 | 各点から直線への垂直距離の2乗和が最小になる直線。=最良近似直線。上の2つは同じ答えになる。 |
| 回帰との違い | 最小二乗回帰は「y 方向の縦のずれ」を最小化するが、主成分分析は「直線への垂直距離」を最小化する。両者は一般に別の直線になる。 |
| 次元削減 | 2次元のデータを、第一主成分の座標1つで近似的に表せる。d 次元 → k 次元の圧縮に一般化される。 |
(1) 以下はクラスタリング法の手順の構成要素である。( )内に番号を付けて正しい順番を示せ。
( )標本の特徴ベクトルをグループ内学習データの平均ベクトルに置き換える。
( )N 個の標本の特徴ベクトルをランダムに設定する。
( )以上の手続きを平衡状態に達するまで繰り返す。
( )すべての学習データを最も近い標本に対応付けて N 個のグループに分ける。
(2) この手法の名称を述べよ。
(3)標本の特徴ベクトルをグループ内学習データの平均ベクトルに置き換える。
(1)N 個の標本の特徴ベクトルをランダムに設定する。
(4)以上の手続きを平衡状態に達するまで繰り返す。
(2)すべての学習データを最も近い標本に対応付けて N 個のグループに分ける。
(2) k-means 法(k平均法)
選択肢の文言そのものに順序のヒントが埋まっている。
| 順 | 手続き | 見分けるキーワード |
|---|---|---|
| 1 | N 個の標本の特徴ベクトルをランダムに設定 | 「ランダムに設定」=何も情報がない状態=初期化。必ず最初。 |
| 2 | 全学習データを最も近い標本に対応付けてグループに分ける | 「グループに分ける」=割り当て。グループが存在しないと次が実行できない。 |
| 3 | 標本の特徴ベクトルをグループ内の平均ベクトルに置き換える | 「グループ内の平均」=グループが既にある前提=更新。だから2より後。 |
| 4 | 以上の手続きを平衡状態に達するまで繰り返す | 「以上の手続きを」=すべてを受ける=必ず最後。 |
言い換えれば: 初期化 → 割り当て(Assignment)→ 更新(Update)→ 収束するまで 2・3 を反復。この「割り当てと更新の交互反復」が k-means の本体。
| 注意点 | 内容と対策 |
|---|---|
| 初期値依存・局所解 | ランダム初期化なので、実行ごとに結果が変わる。最適解は保証されない。→ 複数の初期値で試して誤差(クラスタ内平方和)が最小のものを採用する/k-means++ で初期値を賢く選ぶ。 |
| k を人間が決める必要 | クラスタ数は自動では決まらない。→ エルボー法(k に対する誤差の折れ曲がり)、シルエット係数などで選ぶ。 |
| クラスタ形状の仮定 | ユークリッド距離+平均を使うので、等方的(球状)で同程度の大きさのクラスタが前提。細長い形や密度差の大きいデータは苦手。→ 混合正規分布+EM法、DBSCAN などを検討。 |
| スケールの影響 | 単位が違う特徴(cm と kg など)をそのまま使うと、値の大きい軸だけで距離が決まる。→ 標準化してから適用。 |
| 外れ値に弱い | 平均を使うため外れ値に中心が引っ張られる。→ 中央値を使う k-medoids など。 |
次の表を基に、朝の気温と湿度から、その日の午後の天気(晴、雨)を言い当てたい。
(1) 午前の気温が10℃以上、湿度が60%未満である時の晴れの事後確率を求めよ。
(2) 午前の気温が10℃未満、湿度が60%以上である時の天気を言い当てよ。また、そう答える理由を述べよ。
| 湿度 60%未満 | 湿度 60%以上 | 行合計 | |
|---|---|---|---|
| 10℃未満 | 晴:130 日 雨:100 日 | 晴:70 日 雨:200 日 | 500 |
| 10℃以上 | 晴:300 日 雨: 30 日 | 晴:100 日 雨: 70 日 | 500 |
| 列合計 | 560 | 440 | 1000 |
(1) 300 / 330 = 10/11(≒ 0.909)
(2) <天気> 雨
<理由> 晴れの事後確率 70/270 より、雨の事後確率 200/270 の方が高いから。
事後確率 P(クラス | 観測) とは、「観測された条件に当てはまる日だけを取り出したとき、そのうち何割がそのクラスか」。だから該当セルの中だけで割合を出せばよい。
観測を x=(気温, 湿度)、クラスを ω(晴 or 雨)とすると、
(1) を定理どおりに計算して、割り算と一致することを確かめる:
| 条件 | 該当日数 | P(晴|x) | P(雨|x) | 判定 | 誤る日数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 10℃未満・60%未満 | 230 | 130/230 ≒ 0.565 | 100/230 ≒ 0.435 | 晴 | 100 |
| 10℃未満・60%以上 | 270 | 70/270 ≒ 0.259 | 200/270 ≒ 0.741 | 雨 | 70 |
| 10℃以上・60%未満 | 330 | 300/330 ≒ 0.909 | 30/330 ≒ 0.091 | 晴 | 30 |
| 10℃以上・60%以上 | 170 | 100/170 ≒ 0.588 | 70/170 ≒ 0.412 | 晴 | 70 |
| 識別誤り率 | 270/1000 = 27% | ||||
この表全体が「気温と湿度から天気を当てる識別器」そのもの。MAP 判定を全セルで行うと誤り率が最小になる(ベイズ誤り率)という点が、統計的識別法の理論的な核心。
(1) 以下のグラフで示される因果関係に基づいて、同時確率 p(X, Y, Z) を分解しなさい。
グラフ:X → Y、X → Z、Y → Z
p(X,Y,Z) = p(Z|X,Y) p(X,Y)
= p(Z|X,Y) p(Y|X) p(X)
ベイジアンネットワークでは、各ノードを「自分に矢印を向けている親ノードで条件付けた確率」で書き、全部かけ算する。それだけ。
| ノード | 親 | 書く因子 |
|---|---|---|
| X | なし | p(X) |
| Y | X | p(Y|X) |
| Z | X と Y | p(Z|X,Y) |
掛け合わせて p(X) p(Y|X) p(Z|X,Y)。模範解答は乗法定理を2段階に適用する書き方で示しているが、結果は同じ。答案には途中式(1行目)も書いておくと過程が伝わる。
| グラフの形 | 構造 | 分解 | 成り立つ独立性 |
|---|---|---|---|
| X → Y → Z | 直列(chain) | p(X)p(Y|X)p(Z|Y) | Y を知ると X と Z は独立(Z ⊥ X | Y) |
| Y ← X → Z | 分岐(共通原因) | p(X)p(Y|X)p(Z|X) | X を知ると Y と Z は独立(Y ⊥ Z | X)=「見かけの相関」の正体 |
| X → Z ← Y | 合流(collider) | p(X)p(Y)p(Z|X,Y) | X と Y はもともと独立。Z を知ると逆に従属になる |
| X→Y, X→Z, Y→Z | 完全グラフ(本問) | p(X)p(Y|X)p(Z|X,Y) | なし(連鎖律と同じ) |
ふりかえりが名指しで「復習しておけ」と指定したのがこのページ。右半分(手法の分類)はシラバスの授業計画欄と同じと注記されている。つまりこの表の手法5分類が、そのまま授業の骨格であり、試験の骨格でもある。
| 応用(どんな問題を解くのか) | 手法(どのように解くのか) | ||
|---|---|---|---|
| 分類 | 具体例 | 分類 | 具体例 |
| 仮説検定 | 適合度、独立性、母平均差、母比率差、母分散比 | 仮説検定 | カイ2乗検定、F検定、T検定、ベイズ統計 |
| 多変量データの解析 | マーケティング、因子分析、次元削減、可視化、特徴抽出 | 多変量解析 | 回帰分析、主成分分析、独立成分分析、潜在的意味分析、ベイズ線形回帰 |
| クラスタリング | 顧客分類、患者分類、都市分類、犯罪分類 | クラスタリング | ウォード法、k-means法、スペクトラルクラスタリング |
| 検出・識別・認識 | 顔検出、画像認識、音声認識 | 認識 | ベイズ決定則、サポートベクターマシン、ニューラルネットワーク |
| モデリング | 政策の最適化、薬の効果分析 | ベイズ統計 | ベイジアンネットワーク、MCMC法 |
| シミュレーション・予測 | 市場予測、リスク評価 | ベイズ統計 | ベイジアンネットワーク、MCMC法 |
| 過去問 | 手法の分類(この表の行) | 応用の側から見ると | 問われた具体例 |
|---|---|---|---|
| 問3 | 仮説検定 | 独立性/母平均差 | 母平均の差の検定 → T検定(t 分布)。独立性 → カイ2乗検定 |
| 問4 | 多変量解析 | 次元削減・可視化・特徴抽出 | 主成分分析(固有値・固有ベクトル) |
| 問5 | クラスタリング | 顧客分類・患者分類など | k-means 法の手順と名称 |
| 問6 | 認識 | 検出・識別・認識 | ベイズ決定則(事後確率最大=MAP判定) |
| 問7 | ベイズ統計 | モデリング/シミュレーション・予測 | ベイジアンネットワークによる同時確率の分解 |
| 問2 | (全手法の土台) | データの分布そのものの記述 | 分散共分散行列と多次元正規分布 |
| 問1 | (到達目標1) | 社会実装としての意義 | ビッグデータ/データマイニング |
「どの問題をどの手法で解くべきか」を答えるには、授業で深く扱っていない用語も名前と役割だけは言える必要がある。太字が過去問で実際に問われたもの。
| 分類 | 手法 | 何をする手法か |
|---|---|---|
| 仮説検定 | カイ2乗検定 | 度数(カウント)の偏りを見る。独立性の検定・適合度の検定に使う |
| T検定 | 母分散が未知のときの平均に関する検定。母平均の差の検定の標準 | |
| F検定 | 2つの分散の比を見る。等分散の検定、分散分析(3群以上の平均比較) | |
| ベイズ統計(検定として) | 仮説そのものの事後確率を計算して比較する立場。p 値ではなくベイズファクターで判断する | |
| 多変量解析 | 回帰分析 | 説明変数から目的変数を予測する。誤差(縦方向)の2乗和を最小化 |
| 主成分分析(PCA) | 分散が最大になる軸を固有ベクトルとして求め、次元を削減する | |
| 独立成分分析(ICA) | 混ざり合った信号を、統計的に独立な成分に分離する(例:混合音声の分離)。PCAが無相関化なのに対し、ICAは独立性まで要求する | |
| 潜在的意味分析(LSA) | 文書×単語の行列を特異値分解し、背後の「意味の次元」を取り出す。検索・自然言語処理で使う | |
| ベイズ線形回帰 | 回帰係数を1つの値ではなく確率分布として推定する。予測に信頼区間が付き、データが少なくても過学習しにくい | |
| クラスタリング | ウォード法 | 階層型クラスタリングの代表。クラスタ内の平方和の増加が最小になる組を順に併合し、デンドログラムを作る |
| k-means 法 | 非階層型。初期化→割り当て→平均で更新、を収束まで反復 | |
| スペクトラルクラスタリング | データ間の類似度グラフを作り、そのラプラシアン行列の固有ベクトルの空間で分割する。三日月型などk-meansが苦手な非球状のクラスタにも対応できる | |
| 認識 | ベイズ決定則 | 事後確率が最大のクラスに判定する(MAP判定)。理論上、誤り率が最小になる |
| サポートベクターマシン(SVM) | 2クラスの間隔(マージン)が最大になる境界を引く。カーネル法で非線形の境界も扱える | |
| ニューラルネットワーク | 非線形変換の多層合成で複雑な境界を学習する。深層学習の基礎 | |
| ベイズ統計 | ベイジアンネットワーク | 変数間の因果・依存関係を有向グラフで表し、同時確率を「各ノード|その親」の積に分解する |
| MCMC法 | 解析的に計算できない事後分布から、乱数によるシミュレーションで標本を得る方法(マルコフ連鎖モンテカルロ)。ベイズ推論の実行手段 |
| 手法 | 使うときの前提・注意点 |
|---|---|
| 仮説検定 | 帰無仮説と有意水準をデータを見る前に決める。棄却できない=差がないの証明ではない。母分散が既知なら Z、未知なら T。第一種/第二種の誤りを区別する |
| 主成分分析 | 必ず平均を引いてから共分散行列を作る。単位が違う変数は標準化(相関行列を使う)。寄与率で残す次元数を決める。軸に解釈を与えるのは人間の仕事 |
| クラスタリング | 教師なしなので正解がない。k は人が決める(エルボー法など)。k-means は初期値依存・局所解・球状クラスタ前提。スケールを揃える |
| 認識(識別) | 教師あり。事前確率の偏りが判定を変える。学習データの少ないセルの確率は信用しない。誤りの種類(見逃しと誤検出)で代償が違う場合は損失を重み付けする |
| ベイズ統計 | 矢印の向き=因果の仮定であり、データだけからは決まらない。事前分布の選び方が結果に影響する。分解した因子の数はノード数と一致する |
到達目標2-Aは「理論を説明するための数学的表記法を理解する」。読めるだけでなく、白紙から書ける状態にしておく。
| 記号・式 | 読み方 | 意味と注意 |
|---|---|---|
| x = (x, y)t | 転置つき列ベクトル | データは縦ベクトルで扱う。t を書き忘れると行ベクトルになり、行列の積の形が崩れる |
| μ = E[x] | 平均ベクトル | 各成分ごとの平均を並べたもの |
| Σ = E[(x−μ)(x−μ)t] | 分散共分散行列 | 縦×横なので結果は d×d の対称行列。順序を逆にするとスカラーになってしまう |
| ρ = σxy/(σxσy) | 相関係数 | −1 ≤ ρ ≤ 1。単位に依存しない |
| Σu = λu | 固有値方程式 | u≠0。固有ベクトルは定数倍の自由度があるので (1,1) でも (2,2) でも正解 |
| |Σ − λI| = 0 | 固有方程式(特性方程式) | 行列式=0。d 次なら λ の d 次方程式 |
| tr(Σ) = Σλi | トレース=固有値の和 | 全分散。寄与率の分母になる。検算に必須 |
| Σ = UΛUt | 固有値分解(スペクトル分解) | 対称行列限定。U は固有ベクトルを並べた直交行列、Λ は固有値の対角行列 |
| X = USVt | 特異値分解(SVD) | 正方でなくてもよい一般化。特異値の2乗が固有値に対応 |
| N(μ, Σ) | 多次元正規分布 | 指数部 (x−μ)tΣ−1(x−μ)=マハラノビス距離²。等確率線が楕円 |
| P(A|B) = P(B|A)P(A) / P(B) | ベイズの定理 | 左右の条件を入れ替える公式。分母は周辺確率 ΣAP(B|A)P(A) |
| p(X,Y) = p(Y|X)p(X) | 乗法定理/連鎖律 | 常に成立。独立なら p(X)p(Y) に簡約される |
| 場面 | 書くべき一文 |
|---|---|
| 問1(利点) | 「予測困難=過去の経験が役に立たないということであり、現状をリアルタイムに分析することでのみ急激な変化に対応できる」 |
| 問3(例) | 「〇〇群と△△群の□□の平均に差があると言えるか」+「母分散が未知なので t 分布を用いる」 |
| 問4(第一主成分の意味) | 「最大固有値の固有ベクトル方向であり、データの分散が最大=近似誤差が最小になる方向である」 |
| 問6(理由) | 「晴の事後確率○○より雨の事後確率○○の方が大きく、事後確率最大のクラスを選ぶため」 |
| 問7(根拠) | 「各ノードをその親で条件付けた確率の積に分解した」 |
ふりかえりは到達目標とは別に「何を技術として重要だと考えたか/何が自分にとって重要だったか/何に強く興味を引かれたか」を挙げている。科目の知識ではなく、自分の視点を書く欄なので、テンプレ的な感想では意味がない。次の型で1つ具体例を持っておく。